子供に通わせるならどこの学校?~中国・広州の教育事情~

子供に通わせるならどこの学校?~中国・広州の教育事情~

中国_広州海外赴任が決まったご家庭が最初に考えるのがお子さんの学校の問題です。日本に暮らしていても、お子さんをどこの学校に通わせるかというのはとても悩ましい問題ですが、それが海外となると心配事がさらに増えるものです。
そこで今回は、中国の広州での学校事情についてご紹介したいと思います。

まず、学校をタイプ別に分けて説明します。いわゆる日本語を使用する日本人学校、中国語と英語を使って教育が行われる中英文幼稚園や中英文小学校、英語のみのインターナショナルスクール(幼稚園以降、一貫教育が大半)、現地のローカルの幼稚園や小学校、という4つがあります。

※現地のローカルの幼稚園や小学校は通うお子さんが少ないので今回は説明しません。

●日本人学校
公用語は日本語。給食はなく、お弁当。広州には幼稚園と小学校(中学校)それぞれ1校ずつしかありません。
両校とも私立です。2014年度より幼稚園が小学校の近くに移転しましたが、お互いに附属関係はありません。幼稚園は体をたくさん動かしたり、工作をしたり、日本の幼稚園同様遊ぶことに重点を置いた教育方針で、お子さんたちはのびのびと過ごしているという印象です。七夕やお正月のお餅つきなど、季節の行事や活動に重点を置いています。

小学校は、基本的に日本の教科書を使い日本と同じ教育をします。週に1時間程度中国語の授業も取り入れるなど、中国生活を楽しむ工夫をしています。修学旅行は西安など、中国文化に親しむ取り組みも多く行われています。教育水準は以前から非常に高いといわれ、先生たちについては、普段の宿題から、学校生活の様々な事柄へ至るまで、きめ細やかな対応に定評があります。

●中国語と英語の中英文校中国_学校
英語の時間以外、公用語として中国語を利用。給食あり。担任の先生ほか英語の先生以外は中国語を使用しています。
幼稚園によって英語と中国語の利用割合は2:8、3:7など若干異なるようです。日に1コマ、ないし2コマなどの英語の時間以外はすべて中国語、というような感じです。お子さんの自主性を重んじる、というよりは、集団の中での社会性を育むこと、幼少期から机に座って本を読む、というようないわゆる「勉強の姿勢」を身につけることなどに重きをおいています。

●インターナショナルスクール
公用語は英語。給食あり。週に1時間のみ中国語の時間がある、など幼稚園や小学校ごとに取り組みが違いますが、ほぼ英語を使用しています。
先生やスタッフについては、基本的に英語のネイティブ、またはネイティブに相当する中国人スタッフで運営されています。学校のカラーにより多少異なりますが、お子さんの自主性に重きをおいた教育方針が特徴です。

中国に住む欧米人子供基本的には欧米国籍のお子さんが通う学校とされていますが、学校によって国籍の割合も違い、中国人を始めとしたアジア系の学生の割合が多い学校もあります。公用語が英語である一方、外国人にとっての第2外国語となる中国語にも力を入れている、また英語、中国語以外の第3外国語の授業も取り入れている、といったような学校もあります。

ひと言で言うのは難しいのですが、あえて学校のタイプ別の雰囲気を一言で言えば、日本人学校は日本式の教育をのびのびと、中英文学校は早いうちから勉強を頑張る、またその姿勢を身に付ける、インターナショナルスクールは自主性を重んじる、という大きな違いがあります。

●学校のタイプ別に考えるメリット・デメリット
これまで私自身が感じた、また周りのご家族から伺った中でまとめた学校のタイプ別のメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

◎日本人学校の場合
メリット:
・日本と同じ教育が受けられる、日本と同じような環境を与えてあげられる
・幼稚園から小学校、さらに中学校にも周りのお友達と一緒に進級しやすい

デメリット:
・中国語や英語などの語学に普段から親しむ機会が少ない
・国と国との関係を「とくに」気にしなければならない

「日本と同じ教育が受けられる」というストレスのない環境の一方、学校に国の名前が付いているということは、それだけそこにその国の人間が集まっていることを意味します。国同士の関係が今どのような状況なのかを強く意識せざるをえません。

◎中英文学校の場合
メリット:
・中国語に慣れ親しむことができる
・中国語ほどではないが、英語にも慣れ親しむことができる
・いろいろな国の友達ができる、彼らとのコミュニケーションに抵抗がなくなる

デメリット:
・疑問、不満に思うことがあってもなかなか聞きづらいことが多い(両親の語学力による)
・学校や先生の考え方に歩み寄る努力が必要となる
友達との揉め事など、問題が外国人同士で発生することを心得なければならない
・入学年齢によっては慣れるのに時間がかかる
・国と国との関係を「ある程度」気にしなければならない

◎インターナショナルスクールの場合
メリット:
・英語に慣れ親しむことができる
・英語ほどではないが、中国語にも慣れ親しむことができる
・いろいろな国の友達ができる、彼らとのコミュニケーションに抵抗がなくなる

デメリット:
・疑問、不満に思うことがあってもなかなか聞きづらいことが多い(両親の語学力による)
・学校や先生の考え方に歩み寄る努力が必要となる(中英文より受け入れやすい事が多い)
・友達との揉め事など、問題が外国人同士で発生することを心得なければならない(ただし、あまり親同士が話すような事態に発展することは少ない)
・入学年齢によっては慣れるのに時間がかかる

学校生活や放課後のお子さん同士の揉め事は日本人同士でも対応が難しいことがあります。中英文の学校やインターナショナルスクールにおいて発生したお子さん同士の揉め事については、相手が外国人になった場合、やはり言葉の壁の問題があり、自分側の考えをうまく伝えられないもどかしさや、そもそも問題視している点が自分たちと違う、ということがあります。

中国_子供子供同士にはよくあること、と比較的おおらかに受け止める欧米系の両親が多いインターナショナルスクールでは、揉め事に発展することは多くないようですが、中国人が多く通う中英文の場合は、一人っ子政策の影響もあり、お子さんに対しての関心は両親に限らず、祖父母からも強く注がれている分、万が一問題が発生した場合には真摯に対応することが必要になります。

また、中英文の学校やインターナショナルスクールにおいては、入学年齢も考慮に入れる必要があります。インターナショナルスクールに入れるご家庭は幼小中…と一貫して通わせるケースが多く、慣れるのに時間をかけることもできるため、そこまで年齢の問題は出てきません。一方で小学校入学までのこり半年前後で中英文の幼稚園に入れ、その後日本人小学校に入れる、というケースがあります。日本での幼稚園生活を長く経験しているため、7-8割方のお子さんが残り半年ようやく慣れたかと思うころに小学校に入学することになり、お子さんにとってはストレスだけの学校生活だった、という結果になることも少なくありません。

●学校の選択について考える
学校の選択について、これまでの経験から大切だと思うことが3つあります。
1つ目は、どのタイプの学校を選んだとしても、そこでの経験に間違いはない、無駄なものも何一つないということです。私の経験上、振り返ってみると、心配しすぎだったことも多く、大変だったことのほうが懐かしい思い出になることも少なくありません。

2つ目は、「親の勘」は非常に大きな判断材料だということです。とくに海外ですから、学校の設備などのハードの面の確認ということもありますが、必ず学校見学にいき、校長先生や普通の先生方、学生の雰囲気など、ソフトの面がどうなのか両親の目で確認することが大切です。同じ日本人が、同じ学校を見ても、全く違う感じ方をすることがよくあります。

3つ目は、万が一、お子さんが学校に合わなかったら、転園、転校させる、というくらいの気でいよう、ということです。このことは別に恥ずかしいことではありません。お子さんの性格やその時の年齢によって、学校との相性というのはどうしても出てきます。中には「うちの子、順応できなかった」と思う人もいるかもしれませが、そのことがお子さんの優劣を決めるものではありません。大切なお子さんの教育のことですから「勉強のこともあるし、転校なんてとんでもない」と思う方が大半だと思いますが、そうは思いつつも、どこか気楽にかまえる「心のゆとり」が必要です。

両親のストレスはどういうわけだかお子さんに確実に伝わります。最後に触れた「心のゆとり」はお子さんの学校選びにかかわらず、長い海外生活を送っていく上でもとても重要なことではないでしょうか。

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