マレーシアの教育制度は日本とどこが違う?

マレーシアの教育制度は日本とどこが違う?

マレーシアと日本の教育制度を比べた時に異なる点は非常に多くありますが、まず教育制度の年数。初等教育6年間、中等教育が5年間とあります。中等教育の5年間は前期2年、後期3年と分かれます。日本では高校卒業は18歳ですが、マレーシアでいう高校卒業は日本より1年短い17歳ということになります。しかし、大きく異なるのは「学校の授業をこなすだけでは中学・高校の卒業資格を与えてもらえない」という点でしょう。

日本では学校で定められた単位を取得することで卒業資格を取ることが出来ますが、マレーシアではそうではありません。今回はその点も踏まえつつマレーシアの教育制度について説明したいと思います。

1)初等教育(スタンダード1~6)
マレーシア_小学生01 この初等教育というのが日本でいう小学校にあたります。期間は6年間でスタンダード1から6と呼ばれています。公立であれば無償の為、初等教育での就学率はほぼ100%との事です。満6歳より12歳まで通いますが、小学校終了時に全国統一試験UPSRを受けなくてはなりません。
科目はマレー語、英語、算数、理科が通常ですが、中華系の学校に通っている生徒たちは中国語が加わります。同様に、インド系学校に通っている場合はタミール語が追加となります。このUPSRの結果によってそれぞれのレベルの中学校へ振り分けされることとなり、希望の中学校へ進学できるかどうかが決まるという、子供たちにとって最初の難関と言っても過言ではありません。試験一週間程前から学校でも補習対策が行われたり、塾での復習を強化したりする家庭も多いようです。このUPSRで悪い成績を取ってしまうと中学校でのクラス分けにも直に影響しますし、下のクラスからのスタートになってしまうとなかなか巻き返すのは大変だと思います。
しかし、インターナショナルスクールなどでは初等教育はそのまま中等教育に上がれるエスカレーター式となっていますので、成績が良くとも悪くとも公立へ通う生徒達ほどの緊迫感はないそうです。

2)中等教育(Form1~5)
中等教育では下等中等学校が3年、上級中等学校が2年制となっています。この期間はFormと呼ばれ、Form1からForm5まであります。日本でいう中学3年生のForm3終了時に前期中等教育終了時、全国統一試験PMRを受験します。ここでの成績により残りの2年間を理系に進むか、文系に進むかが決まります。そしてForm5終了時、ここが最も大きい別れ道となるSPMの試験です。SPM不合格・または受験しない=高校卒業資格がない、です。
いくら中等学校で授業態度が良く、真面目に毎日通っていたとしてもSPMに合格しないと中学校卒業までの資格しか与えられません。SPM試験の前の段階、Form3で実際学校をドロップアウトしてしまう現地の子供たちが少なくないのも事実です。Form1からForm3までの進学率が80%超えなのに対し、Form4からForm5への進学率は実に50%程度。つまりはマレーシアの国民の半分程度の子供たちが高校卒業資格を持っていないという事になります。理由は家庭の事情や、早くに働きに出たい等様々ですが就職となっても最低SPM保持者でないと応募の機会すら与えてもらえないのが現状です。
更に大学進学を目指すにはSPMに合格するだけではなく、クレジットと呼ばれる一定以上の成績、履修証明と履修単位が必要です。

3)大学予科(Form6)

マレーシア_学生01 そしてForm5終了後、日本でいう高校卒業後は大学進学の為にForm6と呼ばれる大学予科に1年、もしくは2年通います。ここで更に成績により上のクラスUPPER 6、LOWER 6と分けられます。このForm6の終わりに今度はSTPMという全国統一試験を受験し、これが大学への入学資格証明になります。このForm6で成績がふるわない生徒達は大学に進学できる可能性が低い為、Diplomaと呼ばれる日本でいう短大資格が取得できる2年~3年制の専門学校へ行くことになるのです。

4)大学(高等教育)
ここまで来てやっと、晴れて大学入学です。ここまで読んで頂けるとお分かりになると思いますが、大学入試に直結するSPMやSTPMは大学進学希望者にとっては非常に大事なのです。ここまで長い道のりですが、大学進学にたどり着くのはわずか5%に満たないとの統計が発表されています。成績優秀者は国立大学へ入学できるのですが、マレーシアにはマレー人優遇制度があるというのは在住者には有名な話です。ブミプトラ政策と呼ばれるこの制度は教育面だけに関わらず、経済面でもマレー系マレー人が優遇される制度です。同じ成績優秀者でもマレー系マレー人と中華系マレー人がいたらマレー系が優先的に入学資格を得られるというわけです。

狭き門である大学進学に加え、更に立ちはだかるブミプトラ制度。その為、国立大学へ進学出来ない優秀な生徒達は更に教育レベルの高いシンガポールであったり、オーストラリアの大学へ留学するのです。

幼いころから成績優秀者をふるいにかけながらも、マレーシア以外での大学進学を余儀なくされた優秀な中華系、インド系は留学しマレーシアを出て行く。マレー人を優遇するはずのこの制度によって、マレーシア国立大学卒業者のマレー人と海外大学卒業者の間に更なる学力格差を生んでしまうというのは何とも奇妙な話です。

このように、マレーシアの教育制度は大変複雑です。日本人といえどもSPM試験は現地語で受験しなくてはなりませんので、これから移住をお考えの方はお子様の年齢、重要な全国統一試験を受ける前に現地語を学ぶ充分な時間はあるかということも頭に入れておいた方がいいかもしれません。

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