アメリカの夏休みってどんなもの?夏休み中の子供の学習について

アメリカの夏休みってどんなもの?夏休み中の子供の学習について

日本と同じように、もちろんアメリカにも夏休みがあります。しかしその内実は日本とはかなり違っています。今回は、アメリカの夏休みとその間の学習について、自身の経験も踏まえながら考えてみたいと思います。

 アメリカと日本の夏休みにはかなりの違いがあると述べましたが、まず期間が全く違います。日本の夏休みはだいたい7月の下旬に始まって8月いっぱいで終了し、9月から新学期が始まるというところが多いのではないかと思います。一方のアメリカでは、地域や州によっても多少ばらつきがありますが、大まかに言えば5月の下旬くらい、あるいは6月の上旬くらいから夏休みが始まって、8月の中旬から下旬ころまで続きます。少なくとも2か月以上は夏休みの期間ということになります。私が住んでいた地域でも夏休みは約2か月半ありました。

また、日本の場合夏休みには学校からかなりの宿題が出ます。やはりあの宿題は子どもにとって大きな負担です(今大人の人もきっと記憶にあることでしょう)。一方のアメリカでは、基本的に夏休みには宿題がありません。私が通っていた現地校でも夏休みには一切宿題は出ませんでした。アメリカでは夏休み明けの秋から新しい学年が始まるので、宿題を出してしまうと調整が難しくなるという事情もあるのかもしれません。

こういったこともあり、アメリカでの夏休みはとても自由に過ごせます。日本人の親からすると、「こんなに自由で長い夏休みで、子どもは大丈夫なのだろうか?親も子どもが休みで大変なのでは?」と心配してしまうかもしれませんね。やはりそこは日米の文化の違いなのだろうと思います。アメリカ人の傾向の一つとして、家族を大切にする人が多いなあという感じがしますが、アメリカの夏休みがこれだけ長いのも、子どもが家族と過ごす時間を大切にしている一つの表れなのかもしれません。

とはいえ、共働きなども多いアメリカ人のことです。子どもが休みだと困る親がいるのも事実でしょう。しかも、州によって年齢は異なりますが、治安上の理由から基本的に子どもが12歳くらいになるまでは、子どもだけで留守番をさせてはいけないという法律も存在します。

では夏休み中、子どもたちは何をしているのでしょうか。多くの地域ではいわゆる「サマースクール」のサービスが提供されています。私も平日はサマースクールに参加していることが多かったです。朝9時くらいに登校すると、すでにかなりの子どもたちが来ていました。夏休みなので、基本的にいつ登校しても、いつ下校しても構いません。親の都合に合わせて送り迎えができるので、親にとっても便利なサービスだと思います。

 サマースクールでは大まかな行動は先生が指示しますが、基本的には子どもたちの好きなように時間を過ごせました。外で遊んだり、テレビで映画を鑑賞したり、絵を描いたり。女の子の中にはビーズでアクセサリーを作っている子もいました。また週に1回くらいはスクールバスに乗って、プールに行ったりピクニックに行ったりと少し遠出もしました。

先生は普段は優しかったですが、先生が話しているときに話をきちんと聞かずに私語をしたりするとかなり厳しかったです。日本の学校ではめったにないなあと思ったのが、”silent time”(静かにしなければならない時間)という制裁、しつけです。これは、上記のように先生の話をきちんと聞かなかったりした子どもがいた場合、5分や10分など、先生が決めた一定の時間、きちんといすに座って絶対に何も話してはいけないという罰でした。この時間が終わらないうちに私語などをしてしまうと、罰としてさらに時間が延長されてしまいます。日本で問題になっているような体罰をアメリカの先生が行っているのは一度も見たことがありませんが(行えば社会問題になるのでしょう)、今振り返ってみると、その代わりにこういった形で厳しいしつけをしていたのだな、と思います。

私は夏休みの期間、こうしたサマースクールに通ったり、近所のアメリカ人と遊んだり、家族で旅行をしたり、近くのプールで家族や友人と泳いだり、と日本人が「勉強」と聞いて連想するような勉強はほとんどしていませんでしたが、今振り返ってみるとこういったことこそが自分を成長させ、高めてくれた勉強そのもののように感じています。大人になった今、自分の中で宝物として残っているのは帰国後の塾の夏期講習や受験勉強よりもこのように楽しく遊んだ日々であり、経験なのです。だから私は、「受験」という観点で見れば他の日本人と比べて後れをとったかもしれないけれども、アメリカでこのような夏休みを過ごしたことを全く後悔していませんし、むしろ良かったとさえ思っています。

もちろん、アメリカの夏休み期間は長いので、普段はなかなか忙しくて余裕のない日本の教科書を使って勉強するような余裕も生まれます。私は毎週土曜日に日本人の補習校に通っていましたが、そこは日本のスケジュールに沿って動いていたので、現地校が夏休みの期間中も通常通り毎週土曜日に授業がありました。また親が日本から持参していた漢字練習帳や算数の問題集などもこなしていました。理科や社会科の資料集などにも目を通したりもしていました。夏休み期間中に日本のカリキュラムの後れを取り戻したいと思っている人はそういった方向に重点的に時間を使うことも可能です。

ただ、アメリカ(海外)で生活している子どもにしか体験できない貴重な学びもあるのです。例えば現地の子どもたちと遊んでいれば自然に英語や異文化交流の勉強になります(机に向かってばかりの受験勉強ではこのような力は身につきません)。しかもこういった能力を持った人間こそ、日本社会も求めている人間なのではないでしょうか。そして何より、遊んでいると子どもの表情は生き生きとしています。それが最も重要なことではないかと私は考えるのです。もちろん、例えば家にこもってゲーム三昧というのでは非常にもったいないですが、そうでなければアメリカで夏休みを過ごすことは子どもにとって、とても貴重な経験になると思います。

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