教育計画2015-2025!マレーシアの教育制度、その将来性とは。

教育計画2015-2025!マレーシアの教育制度、その将来性とは。

「隣国シンガポールは経済、教育のあらゆる面でマレーシアのはるか先を行っている。その手法を素直に学び手本にすべき。」

これはマレーシア現地のニュースで見たジョホール州王のインタビューでの言葉です。

それを裏付けるように、先日参加したエジュケーションフェアの記事でも紹介したようにマレーシアでは大学の留学先としてシンガポールがとても人気であり、また学業の水準が非常に高いという事でその教育手法にならうべきであるという動きがかなり強まって来ています。

マレーシア_子供_教育ジョホール州ではわざわざ国境を越え、毎朝200台のバスでシンガポールへ通学している子供たちがいるというのは驚きです。そこでマレーシアとシンガポールを学業の面で比べた時に一番の違いは何かというと英語教育の比重の重さでしょう。シンガポールでは英語の習得を義務付けられているため、ほぼ全国民が英語を理解できるらしいです。そして、実はマレーシアでも英語は義務教育ではないのです。

多国籍国家ゆえの民族同士の人種暴動の問題が発生した事が背景にあり、民族協和を求め、マレー語一貫教育が推し進められたのち2009年を最後に英語の義務教育は廃止されています。シンガポールが英語教育を通じ、民族融和を進めているのとは対照的とも言えます。

そうは言っても、いまやマレーシアは語学留学として人気の留学地になりつつありますし、マレー系公立学校・中華系公立学校・インド系公立学校では英語の授業も必ずあります。質の高いインターナショナルスクールも続々と開校しています。

そこで2015年に発表された「マレーシア教育計画2015-2025」というのは具体的にどういった内容なのかを説明していきたいと思います。

マレーシアでは日本と教育制度が大きく異なりますが、初等教育、中等教育、高等教育と分かれています。現在は高等教育への進学率は約5割弱の48%ですが、それをこの10年の間に70%まで引き上げようというのが主な目的です。SPMと呼ばれるマレーシア中等教育終了試験の英語能力では海外留学や英語を使用する職業に就くのは困難だとされています。

理数系の成績は充分あるものの、英語適性試験で不合格になることがあり希望の大学に進めない子供たちが多いこと、そしてその原因としてインターナショナルスクールや塾、海外分校に行けるのは一部の富裕層の子供のみ、公立学校では英語を学ぶ機会が少ないのでは、という指摘もあり教育方針が見直されているのです。

この計画の中で親として最も興味深かった点ですが、今後は初等教育でマレー語と英語、高等教育以上ではこの二か国語に加え、更に国際言語を最低一言語身につけられる事を目標とする。といった内容です。

その他にも受け入れ留学生を現在の約10万8千人から25万人へ増やす方針であることを発表し、今後マレーシアが更なる国際化を目指していることが伺えます。海外大学分校やインターナショナルスクールが増えていく中で、この方針は私たちのようにマレーシアで子育てしていく家庭にとってとても有利に働くことでしょう。

大学を卒業後も、英語を流暢に扱えることになる事により欧米や他マレーシア国外での就職にも繋がる可能性が高くなります。

しかし、この意見には反対派も実はいるのです。「英語教育の導入によって国語であるマレー語が軽んじられる」といった意見です。反対派にはマレー系団体が多く、実際にマレー系公立学校ではマレー系以外が疎外されがちであるといった事実もあるようです。

このマレーシア教育計画2015-2025では英語教育を強化しようという内容ではあるものの、公立学校や国立教育機関での言語をマレー語から英語に変更するということではないのです。それはマレー系、中華系、インド系と公立学校があり、その民族性を考慮せずに一気に英語教育を一貫化するのは政治的にも社会的にも困難であることも理由の一つです。

今後マレーシアで公立学校へ子供を通わせたいと考えているのであれば、やはりマレー語の習得は必須であることは間違いないでしょう。この計画により今すぐ公立学校でも英語教育が更に充実し、インターナショナルスクールと引けを取らないくらいに水準が上がるという事ではありませんが、教員の質向上も打ち出されていることから今後は教育の現場はいい方向へ変わっていくと思っています。

マレーシア_子供公立学校へ通う娘がいる子供を持つ筆者としては、わざわざインターナショナルスクールや塾へ通わせなくとも大学入試の際に必要な英語能力が身に着くことを望みます。まだまだ発展途上のこのマレーシアで育つ日本人の子供たちが、様々な言語と宗教の中でどの様な立ち位置でどの様に学び、どの様な大人になっていくのかはマレーシアという国の成長と共に変わっていくものなのかもしれません。

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