英語圏からの帰国子女が感じる帰国後の学力状況

英語圏からの帰国子女が感じる帰国後の学力状況

帰国子女の中でもイギリス、アメリカ、カナダなど、英語圏からの帰国子女の場合、帰国した時点で優れた英語力を持っている人も多いことと思います。今回はそうした人たちが、帰国後に受ける日本の教育についてどのように感じるのかについて、私自身の経験をもとに考えてみたいと思います。

私は小学6年生の秋にアメリカから帰国し、中学校も高校も地方の公立学校に通いました。なのでインターナショナルスクールなどに通う予定の人などにはあまり参考にならないかもしれませんが、帰国後、特に地方で生活する予定のある人には参考になるのではないかと思います。

私が子どものころはまだ現在のように小学校で英語は教えられておらず、多くの子どもたちは中学生になってから初めて英語を学ぶという状況でした。
私の場合、中学校の間は英語の授業で苦労したことはほとんどありませんでした。中間・期末テストや高校入試を想定した模試、当時私が通っていた学習塾のテストなど、中学校の間に受けたあらゆるテストで、英語では100点満点中95点を下回ったことはなかったと思います。現在では小学校でも英語が教えられていますが、その主たる目的は「児童に英語に親しんでもらうこと」であり、授業内容も歌やゲームなどが中心だそうです。なので、やはり本格的に英語を学習し始めるのが中学校というのは少なくとも現時点では変わっておらず、その意味では小学校で英語を教わるようになったからといって、中学校で教わる英語のレベルが高くなったとは考えにくいと思います。ですから、英語圏からの帰国子女の場合、もちろん英語力には個人差はありますが、中学校の間は比較的英語はラクに感じられるのではないかと思います。

高校生_勉強しかし、高校に進学すると話は変わってきました。私の通った高校は地方の公立高校ですが、県内では進学校の一つと位置付けられており、ほぼ毎年10名以上の東大合格者を出しています(私の同期生は全体的に優秀な生徒が多かったようで、25名以上が東大に合格していました)。このような環境なので、必然的に中学のころと比べて授業の難易度がはね上がります。それは全ての教科で言えることでした。英語も例外ではなく、中学ではほとんど苦労しなかったにもかかわらず、高校の特に1年生の間は、この中学との難易度のギャップに慣れきっていなかったこともあり、かなり苦労しました。それでも最も得意な科目であることは変わらず、3年生になると成績も安定してきました。他の教科の中には散々な成績のものもありましたが、英語だけは模試などでも同期の280名中50位以内には常に入っていたように思います。

高校に入ると、英語の授業は細分化され、私の高校でも「コミュニケーション英語」、「リーディング」、「英文法」、「ライティング」、「英語会話」といった授業に分かれていました。帰国子女なためか、私がこの中で最も得意だったのは「英語会話」(当時は「オーラル・コミュニケーション」と呼ばれていました)でした。外国人と英語で会話をすることには慣れていましたし、その楽しさも分かっていたからです。逆に最も苦手だったのが「英文法」でした。高校に入ると、中学のころとは比べものにならないくらい詳細な英文法の授業が展開されていて、中には重箱の隅をつつくような文法の知識もありました。そういった知識が入試でも問われるからなのでしょう。私は主にアメリカで英会話をしていく中で英語を習得していったので、そこまで詳細に英文法の知識を持っていたわけではなく、英文法の教科書を見て「こんな表現のしかたがあったのか」と初めて知ったような言い回しもありましたし、「こんな言い回しはネイティブ同士の会話でも聞いたことがないな」と思ったこともときどきありました。

次に、英語以外の教科について見ていきたいと思います。私の場合アメリカで生活していたのは小学生のころの約1年半でしたが、国語と算数については毎週土曜日に近くの日本人補習校に通っていて、そこで現地の日本人の子どもたちと一緒に授業を受けていました。また、日本からの通信教育もやっていましたし、日本から持ってきた問題集もやったりしていたので、この2教科については帰国後もスムーズに日本の学校の授業についていけたように思います。

その一方で、個人的に最も苦労したのは社会科、それも特に歴史でした。私が帰国した小学6年生の秋のころにはすでに江戸時代のことをやっていて、それ以前の日本史についてはほとんど知識はありませんでした。テレビ番組や本などで戦国時代のことを少し知っていたくらいです。そして当然ながら、アメリカの現地校では社会科で日本の歴史は扱いません。そのため、中学の社会科の授業で初めて一から日本の歴史について学ぶことになりました。他の子どもと違って小学校のころに歴史教育を受けていなかったため、予備知識もほとんどなく、最初のうちは初めて知る人名、地名、戦争名などが大変多く感じられ、覚えるのに非常に苦労したことを覚えています。

英語圏からの帰国子女と一言で言っても英語力やバックグラウンドは多様であり、なかなか一概にこうだとは断言できないところもありますが、私自身の経験に照らし合わせて考えれば、やはり帰国後に日本の英語の授業で大なり小なり負担が軽くなることは確かではないかと思います。また、英語以外の他の教科については他の子どもたちと比べるとやはり後れをとっていることが多いので、特に現地で日本人学校ではなく現地校に通う場合には、必要に応じて日本の通信教育などを利用して補習をするというのも良い方法ではないかと思います。

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