英語ができない子どもをアメリカの現地校に入学させて大丈夫か?

英語ができない子どもをアメリカの現地校に入学させて大丈夫か?

 アメリカで暮らすことが決まった親御さんにとって、おそらく一番心配なのは子どもの学校のことではないかと思います。特に、子どもの英語力が不十分な状態である場合には、アメリカの現地校で本当にやっていけるのかどうか、不安は尽きないことと思います。今回は、実際に英語がほとんどできないままアメリカの現地校に入学して学校生活を送った私の経験をもとに、この問題について考えてみたいと思います。

 私は小学5年生の時にアメリカの現地校に入学しアメリカ_学校01ました。アメリカで暮らすことが決まったのはその前年のことで、両親は私に少しでも英語力を身につけさせてから渡米しようと、私を子ども向けの英会話教室に通わせました。また、NHKラジオで放送されている「基礎英語」シリーズもよく聞いていました。ただ、それまでの私はほとんど全く英語に触れたことがなかったため、1年弱の日本での英語学習では、アメリカで同学年のアメリカ人たちと一緒に授業を受けていくだけの英語力には当然ながら至りませんでした(ネイティブ・スピーカーの場合、一般的には小学校高学年でもTOEICで言えば800点台くらいの英語力はあるようです)。

 アメリカの現地校に初めて行った日のことは今でも忘れられません。先生の言っていることがほとんど分からないのです。やはり、現場に飛び込んでみると厳しい現実が待ち構えていました。しかも、クラスに日本人は私以外に誰もいません。日本語を理解できる人が、先生も含めて誰一人としていないのです。初日からこの有り様では、子どもながら先が思いやられました。この学校になじめるはずがないだろうと思いました。

アメリカ_学校02 ところが、どうにか1週間くらい持ちこたえると、現地校にもだんだん慣れてきたな、という感覚が得られてきました。日本の学校もそうですが、私が通った現地校でも、だいたい毎日のルーチン・ワークは決まっています。「朝の学習は何時ごろまでで、次の教科はこれで、昼食は何時ごろで、昼休憩は何時ごろで、帰りは何時ごろで・・・」と、毎日同じようなスケジュールをこなしていくうちに、英語が理解できなくてもだんだん次にどう行動すべきかが分かってきたのです。これだけでも精神的にはかなりラクになりました。

 そして、英語に関しても、そうして精神的にラクになっていくのと並行して、だんだんと理解できるようになっていきました。先述のように、日々のスケジュールがつかめてきたので、先生の言っていることがところどころ分からなくても、「こういうことを言っているのかな」と、ある程度は想像できるようになりましたし、このように英語ばかりをシャワーのように浴び続ける生活を1、2週間ほど続けると、やはり少しずつ理解できるようになっていきました。

日本人_子供01 こうして少しずつ現地校に慣れ、また、英語も徐々に理解できるようになっていくと、学校生活はとてもラクになりましたし、楽しささえ感じられるようになっていきました。幸いクラスメートの中に友人もできましたし、一日一日がとても早く感じられるようになりました。現地校では1年半ほどを過ごしましたが、最初の1週間ほどが一番長く、また精神的にもハードに感じられました。

 こうした自身の経験から考えると、「英語ができない、あるいは不十分な子どもがアメリカの現地校に入学してもやっていける可能性は十分にある」ということが言えます。よく知られているとおり、アメリカには本当に世界中のいろいろなところから人が集まっています。私が所属していたクラスだけでも日本人(私)、韓国人、そしてソマリアから来た人もいました(これにはとても驚きました)。わずか20人ほどのクラスにこれだけの外国人が混じっていたのです。このような環境なので、彼らは、いわば「下手な英語」を話す人にも慣れているのだと思います。また、最もハードなのは最初のしばらくの間で、その後はやや精神的にも余裕が出てくるのではないかと思います。私が週末に通っていた日本人学校で出会った日本人たちも、平日は皆それぞれの現地校に通っているようでした。

 ただ、これはあくまで私の経験に基づく主観的なものであり、普遍的なものではないことには留意する必要があります。これはアメリカに限ったことではありませんが、帰国子女の方の中には現地校で人種差別やいじめなどにあってしまうという経験を持っている方もおられるようですし、どうしても現地校になじめない、という方もおられるでしょう。ただ、それらも現地校で生活していく中で初めて分かることです。なので、まずは現地校に通わせてみて、もし合わなければ他の方法を考えよう、というように柔軟に考えるのがよいのではないかと思います。また、仮に現地校に上手くなじめたとしても、子どもは子どもなりに相当な苦労をして学校生活を送っています。「子どもなのだからすぐ慣れて当然」などという身勝手な考えは厳に慎むべきです。家庭の中では、子どもが現地校で毎日頑張っていることをしっかりと感謝し、称賛するなど、精神的なケアを欠かさない配慮は忘れないでほしいと思います。

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