学校が臨時休校!?フランスの公立教育から見るフランス社会と教育システム。

学校が臨時休校!?フランスの公立教育から見るフランス社会と教育システム。

フランス社会において問題があれば常に話し合いが繰り返され、学校も例外ではなく問題があれば各々の立場からストライキなどが行われます。教育機関に置いてもそれぞれが対等に接する姿勢はフランス社会の一面だと感じます。そうした社会的側面と公立の学校教育。その間にゆらめく子供達そして影ながら支えて行く保護者や教育者はどのようにフランス社会の教育システムを歩んで行くのでしょうか?

教科書と授業方針

教科書は国民教育省が発表した教育プランを基に出版社と師範学校の教員が制作しますが、様々な種類の中から使用する教科書を採用するのは現場の教師です。しかし教科書を使ってもそのまま指導書通りに授業を進めると言う訳ではなく、授業の進行の仕方や教材、テストの有無などすべて教師が決めます。なので同じ学校でも隣のクラスや兄姉の時と全く違うと言う事もあります。又、その年の予算や学長の運営方針によって遠足や課外活動や旅行の有無まで違います。

なので春先になると保護者は、学校の送迎時やお稽古、友達や同僚の間で新しい学年に向けての情報交換で忙しくなり、夏の終わりに政府によって発表される教育プランや公開された教科書や指導内容に目を通し、秋、新学年が始まってすぐに学校で保護者説明会が行われるので 沢山の保護者がここで質問を投げかけます。この説明会では一年の学校方針や各クラスの教育プランの発表になるので、そして疑問や不満があれば話し合い、時に問題が大きければ後日ストライキへ、というように問題を立案、解決していきます。もちろんストライキは教師も職員も学生も行います。その結果問題が改善されて行くこともありますが、現実問題、ストによって収束の目処がつかない休校、試験や給食が急に無くなると言うような不測の事態は正直非常に惑います。また、保護者代表は選挙によって選出され教育議会に出席します。

その背景にある学歴格差と高校進学

日本の中学校に当たるコレージュから高校リセへの進学は、日本のように入学試験の結果によっての高校進学ではなく、中学校最終学年の成績と本人の希望を基に学校が決まります。 そして比較的大きな街の普通教育課程の公立校へはAffelnetというシステムによって学校が振り分けられます。それは居住地の学区内にある高校へコンピューターによってランダムに選出されます。 コレージュの最終学年の成績、奨学金の有無、本人の希望を点数化し、それを基に特別に開発されたアルゴリズムを使います。世帯収入による学歴格差を生み出さない、などへの措置だそうですが、住んでいる地域や高校によってバカロレア合格率が高い、低い、理系が強い、など成績や評判によって様々なので、子供と保護者は、個人の成績と学校の人気度、難易度、学校の雰囲気と子供の性格など考慮して大きく希望が外れないように慎重に希望校リストを制作し提出します。しかし結果的に希望にあまりにも添わない場合には空きのある学校にもう一度申請する事も可能ですが、努力すれば希望の学校に入れる、と言う訳ではないため様々な意見が飛び交っています。

バカロレア試験と高等教育機関

リセの最終学年で行われる国家資格のバカロレア試験。その合否や点数、内容によって今後の進路が大きく決定されて行きます。バカロレア取得後の進学は、大学と高等専門学校に分かれます。そして高等専門学校の中には各分野のエリート育成を目標とする学校はグランゼコールがあります。大学には入試試験も学費もなく登録料のみで学びたい先攻のある大学に願書を提出します。高等専門学校は専門の能力が必要になってくるので入学試験が行われます。どちらも各学年の進級、卒業試験があり未学の者は容赦なく落とされます。その中でもグランゼコールは政治家を始め、理工、経済、政治、科学、軍事、芸術等、各分野でフランス国家を率いる高度な人材の育成を行っており進学も卒業も非常に難易度が高く狭き門になっています。

バカロレアを取得できないと進学、就職ともに非常に苦しく、その上、取得して高等教育機関へ進学しても、そこで何を学び身につけて専門性をどのぐらい磨くことが出来るのかが大切なフランスの教育システムでは、子供が自分の勉強や将来について自分自身で考え切り開いて行く事はもちろんですが、そこに導くまで教師も保護者もそれぞれが教育や学校について常に向き合う事が迫られます。すべてを教育政策に任せておけばどうにかなる、この学校に行けば大丈夫、と言ったような考えではなく、個人主義の国と言われるフランスでは学校教育も進路も専門も、各家庭、そして自分の力で見極めて身につけて行くことが基本にあるように感じます。フランス社会の「全ては自己責任」という深い暗黙のルールがここにも垣間見えるのではないでしょうか?

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