言葉は日々の積み重ね〜フランスの日本語補習校事情

言葉は日々の積み重ね〜フランスの日本語補習校事情

海外で育つ日本人の子供たち。日本語を忘れない為に、帰国後に困らない為に、その日本語教育は非常に重要であり同時に難しい問題です。家庭だけでは満足のいく教育ができない部分を補ってくれるのが、フランス全土にある日本語補習校です。
ここではフランス国内の日本語補習校全体を取り上げ、その取り組みや授業・行事などについてご紹介します。

日本語補習校とは

日本語補習校とは、海外に在留する日本人のための在外教育施設の一つで、主に現地校に通学しながら放課後や休日に日本における国語などの教科を学ぶものです。
補習校とは日本政府からの援助を受けているものを指し、それ以外を補習教室と呼びます。

フランスにおける日本語補習校

フランス_日本語補習校フランスには2016年現在、各都市に15以上の日本語補習校及び日本語補習教室が存在しています。各校のあり方は様々ですが、それぞれが独立した非営利団体(アソシエーション)として認可されており、在仏邦人である保護者によって設立・運営されているものが大半です。幼稚部・小学部、そして学校の規模によっては中学部を設けているところもあり、地域によって人数にばらつきはありますが、平均して30人から40人の生徒が在籍しています。

基本的に日本人の子女を対象としているため、日本人家庭の子供に加え日仏家庭などいずれかの親が日本人である家庭の子供も通うことができます。「日本語を学習する場」であると同時に「日本語で学習する場」でもあるため、全く日本語での意思の疎通ができない場合は入学できない場合もありますが、日本に暮らす子供達ほどの日本語力はなくても通学可能です。そのため日日家庭の子供と日仏家庭の子供の日本語学力に次第に差が生じるという問題点もあります。

日本人学校との違い

フランスでは在留邦人の極めて多いパリ近郊にのみ存在する、日本人学校があります。小学部と中学部があり、全日制でフランス語以外の全ての科目を日本語で学びます。フランスにいながらにして日本と同様の教育が受けられる学校で、在籍する生徒はパリや近郊に住む海外赴任中の家庭の子供たちが中心です。スクールバスもあり、校内はまるで日本の学校そのもの。日本から引っ越してきたばかりの子供たちもすぐに馴染めることでしょう。費用は入学金として700ユーロ、授業料は年間3900ユーロです。

フランス_ブルターニュ地方しかしながら地方都市にはこのような恵まれた学校はありません。そこで補習校が、日本語学習や日本文化に触れることもできる貴重な場となるのです。補習校は平均して20ユーロから30ユーロの年会費に加え、毎月の授業料が30ユーロ前後が必要です。加えてアソシエーションとしての性質上、受け身ではなく積極的に保護者も運営などに参加していく事が求められます。

いずれも中学部しかまでないため、日本人学校を卒業後は現地校やインターナショナルスクールなどへの入学となり、補習校中等部を終えた場合は独学での学習になります。しかし中高生の子供のいる日日家庭では、家族での赴任ではなく単身赴任を選ぶ場合も多いため、小学生に比べ在仏している子供の人数は少ないでしょう。

授業や行事

日本語補習校_授業フランス現地校では水曜日の午後に授業がありません。ですのでこの時間を利用する補習校が大く、毎週3時間から4時間の授業が行われます。学校によっては土曜日に、もしくはその両日に開校しているところもあります。授業は専任の講師が行う場合と保護者が交代で行う場合があります。
様々な教科を日本語で学べる補習校もありますが、基本的には日本の教科書を用いた国語の授業が中心です。日本国内の学校で受ける1週間分の国語の授業を3時間ほどで学ぶため駆け足になるのは否めません。そこで家庭での学習や保護者のサポートが重要になります。

幼稚部は読み書きを中心とした学習のほか、歌を歌ったり工作をしたりなどの活動を通して、日本語の語彙力を高め、正しく話せるようにしていきます。

また漢字コンクールや読書週間、運動会などの学校行事で子供たちの学習モチベーションを上げたり、書初めに節分やひな祭りなど日本の季節の行事を取り入れることで日本文化との触れ合いを大切にしています。

日本語補習校の存在意義

日本人として、どこに暮らしていても日本語は忘れたくないものです。しかし母国語であれど、使う機会が減り学ぶ場がなければその能力は低下していきます。語学は日々の積み重ねですが、親が教師になって教えるのは簡単なことではありません。「学校」で「先生」から「友達と一緒」に教わることで気持ちが切り替わり、日本語学習への意欲が高まることもあります。その思いから、先にその都市に暮らす日本人が設立したのが日本語補習校です。

また海外暮らしに慣れるまでは、大人ですら言葉の問題もあり悩みも多く辛いものです。突然予備知識のないまま現地校に入学することになる子供達も、大なり小なりストレスを抱えることになります。そのため補習校の存在は学習面だけでなく、日本語で話せる友達が増えることで、母国を離れて暮らす日本人親子の心の安定に大いに役立っているとも言えるでしょう。

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