ドイツの大学入試「アビトゥーア」とは?日本と異なるドイツの受験事情

ドイツの大学入試「アビトゥーア」とは?日本と異なるドイツの受験事情

ドイツ語圏で子育てをしていると必ずどこかで聞くのが“アビトゥーア”。早い段階では、お子さんが10歳の時にその言葉を意識する方もいらっしゃるかもしれませんね。
今日はドイツ語圏での教育において避けては通れない“アビトゥーア”についてご説明したいと思います。

■アビトゥーアとは何なのか?
アビトゥーアとは、ざっくりと言うとドイツのギムナシウム(高校)の卒業資格試験のことです。大学入試の資格試験を備えています。
日本とは少しシステムが違うのですが、日本では高校を卒業見込みの人であれば自動的に大学進学の資格が与えられ、志願書を出し、希望の大学の入試試験を受けることが一般的です。高校を卒業見込みではない人は、高校学校卒業認定試験(高認)を受け、大学に入学する資格を得ます。ちなみに「高認」??と首を傾げた方もいらっしゃるかと思いますが、これは2004年以前は「大学入学資格試験(通称:大検)」と呼ばれていましたので、こちらの呼称の方が耳に馴染むかもしれませんね。
 日本でも一般的に中学生の時に、自らの選択により高校を選択肢、ここで大学へ進学するための進学高に行くのか、それとも大学進学を目指さない高校に行くかこの時点で選択することになります。
ドイツでも基本的に考え方は日本と同じですが、日本よりも少し早い段階で進路を決めます。
州によって教育事情が異なるのですが、基本的には10歳の時(だいたい小学校4年生の時)に進路選択をし、日本で言う小学校6年間が終われば、セクンダーシューレかギムナシウムに行くことになります。セクンダーシューレに行った場合は、10年生卒業の後、職業に就くことを選ぶか、専門学校に行くか、それともギムナジウムに編入するかを決めることになります。
ギムナシウムに行った場合は、アビトゥーアに向けて13年生まで学ぶことになります。

日本では志願者が志願大学に赴き、その大学が定める試験を受けることになりますが、ドイツではそのような制度は基本的にはありません。アビトゥーアは卒業試験であり、その合否により希望する大学や学部に入学することが許されるようになっています。

■日本と違う?ドイツの大学入学に対する認識
 ドイツの大学試験で興味深いのは、アビトゥーアに一度合格するとそれには期限がないということです。日本では、高校在学中に大学を受験し、その年の4月から大学生になる人が圧倒的に多いですが、ドイツでは入学する期間は本当に人それぞれです。
高校を卒業してから、ギャップイヤーとして違う国へ留学したり、世界中を旅行して回ったり、もしくはインターン生として働いたり、アルバイトをしたりします。一度職業についてから、大学進学する人も数多くいます。
よくよく考えてみれば、日本のように18歳で将来をすべて見こし、専攻を決めなくてはならないことはとても難しいですよね。その点、ドイツでは一度世の中に出て、自分が何を勉強したいのかをきちんと考えてから大学へ進むケースが多いようです。だからか、30歳近くになっても大学生という人も多くいますし、勉強したい時にはいつでも勉強をやり直せるという環境が整っているように感じます。

日本は学歴社会と言われていますが、実はヨーロッパも学歴にこだわっていないわけではありません。特に「大学で何を勉強したのか」ということは、こちらで生活しているとよく聞かれることです。
日本では、大学で文学を専攻しておいて金融に就職、英語を専攻したけれど英語は話せない、という人を多く見かけますが、ドイツではなかなか専攻と仕事の関係性が希薄な人を見かけません。そのぐらい大学や大学院で何を勉強するかということは大切なことです。
自分が何を勉強したいのか、そしてそれをどう生かすことが出来るのかということをこちらの人たちは真剣に考えます。そして真剣な問いに対して出された答えに対して真摯に向き合おうとします。

日本とドイツとは大学受験の仕組みがそもそも違いますので、日本で高校を卒業した後大学に行かないという選択肢はなかなか稀かもしれませんが、日本でも学生たちや子供たちが周りの雰囲気に流されず、自分が勉強したいことをきちんと勉強出来る環境が整ってくれればいいですよね。

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